#003:理想の上司は連鎖する

今週のメモ: 理想的な上司の下で働いていた人は、大なり小なり良い要素を引き継いでいる

仕事をしていると「この人どんな環境で育ってきたのかな…」と思わずにいられない不思議な人に巡り合うことがある。仕事のやり方が極度にお役所的だったり、足の引っ張り合いの中で生き残る術に長けていたり、重箱の隅を突くことが仕事になっていたり、部下の作った仕事を崩して永遠にやり直しを命じたり仕事仲間がどう感じるかをまるで考えない言葉を投げかけたり。もしかしたら日本社会は性悪大人のごった煮になっているのではないかと思わずにいられない時がある。

初夏のある昼下がり、誰からも「理想の上司」と呼ばれる人と食事に出かけた。

かつて仕事を共にこなした間柄とはいえ彼は雲の上の人になっていたし、二人で出かけるのも肩身が狭かったので彼と関わりのあった過去の上司や同僚も誘って素晴らしいランチを共にした。

食事が終わって昔話をしている時にふと気づいたのだけど、食事に来た誰しもが良い人なのだ。彼を「良いボスたらしめていた何か」は彼に関わった人々に少なからず伝染しているのだ。

会話の態度から切り返し方、仕事の価値観だとか仲間に向ける優しい眼差し、問題の本質を見抜こうとする力等々、ごく自然に伝染して個々人が自分のやり方で消化しているように感じられた。

同様に理不尽な上司の人間性も伝染するのだ。不思議な人にだって純真無垢な子供時代があったはずで、多くが人生のどこかで日本式の理不尽に感染してしまっただけなのだ。

僕はどっちだろう。良い影響を受けているならいいんだけど。ちょっと自信ないな。