#002: 街を作るのは資本ではない

今週のメモ: 街を作るのは資本ではなくその街にいる「面白い人」なのではないか

渋谷の再開発に対する批判がTwitterを中心に広がっている。今度はついに名曲喫茶ライオンにも資本の魔の手が忍び寄るらしい。*1*2*3

再開発を始める前からずっと思っていたんだけど、渋谷の街の面白さはそもそも「面白い人が集まった結果」なのであって面白い街を誰かが設計した結果ではない。面白い人々が夜遊びをして物を買いに行くその過程の中で商店が洗練され小道に面白さが芽生えていった場所なのだ。

渋谷だけではなく吉祥寺や高円寺あたりも同様に「名もなき人々の活動の痕跡」が街の面白さを作ったのだ。

渋谷区と東急はここを履き違えたまま再開発に邁進している。既に渋谷から面白いお店も大人も消えてしまい、地方から来た子がハロウィンの馬鹿騒ぎしたり国籍不詳の外国人が自撮りする場所になってしまった。

お台場エリアがいつまで経っても垢抜けない理由はこの辺にあって、馬鹿みたいに広い道路とか一部の人が設計した動線を歩かされるだけの場所では面白い逸脱が起きず、時間の経過と共に劣化が進むだけなのだ。フジテレビの周りをぶらぶら歩くだけで資本が街を作ることができないということがよくわかるはずだ。

数年後の渋谷は発展途上国の都市のような「ジェネリックシティ」に成り下がることは間違いない。そっぽを向いた面白い大人はもう渋谷に帰ってこないから。