#012: 国ガチャと言い出す人が出てくるかもしれないね

親ガチャって言葉が残酷なのは、子供の育つ環境の豊かさが親の経済的な豊かさにすり替えられた文脈で語られ始めたことだ。この言葉が世に出た時は家庭内の虐待だとか貧困と共に語られることが多かったのに、いつの間にか親の経済力という単一軸の元に語られることが多くなってしまった

成長過程の豊かさとは金銭的な豊かさだけではなく、虐待のない家庭だとか人間関係の良好さ、子供の頃に体験できた経験の数のような数値化できない物事を総合したもののはずなので、金銭的に劣っていても里山の中で貴重な体験ができれば良しとされる雰囲気があったと思う。

このまま経済的な豊かさを指して親ガチャという世相が続いていくと、そのうち日本に生まれたことを指して「国ガチャ」と言う人が出てくるかも知れない。それは子供ではなく、親世代の僕らが国を指差して口にする言葉になるだろう。