#009: 身体的制約とイノベーションの限界

考えてみれば人間なんて手足が2本ずつで、目が捉える光の波長も耳が捉える周波数も限られている。一日最低でも3-4時間の睡眠が必要で寿命も高々70歳くらいしかないのだ。

可聴域を超えたオーディオ作ったってほとんどの人には意味がないし4原色以上のテレビも(たぶん)価値がないし、知覚できない3Dの世界への試みはバーチャルボーイから3Dテレビ、VRヘッドセットと見事にずっこけた(VRはまだ生きてるけど)様を見ていた僕たち世代の多くがメタバースを始めたMetaを眺めながら「よせ、死ぬぞ…」と心の中で思ったはずだ。

消費者が人間である以上、身体的な制約からイノベーションの幅はどんどん狭くなりいずれ枯渇する。フィルム写真や真空管オーディオのような味わいを求めるニッチ市場は細々発展するだろうけど、マス向けのイノベーションは間違いなく先細る。

オカルトっぽく表現すると「アセンション」がない限り人間相手のイノベーションは先細るはずなので、向こう30-50年先の世界はもしかしたらしょうもないものを規制側が強制して無理やり消費させる、そんな社会になってるかもしれないな。資本主義の延命、もしくはドーピング資本主義と呼んでもいいような社会になっているかもしれない。

もしかしたら人間相手の商売は発展せず、AIとロボット向けのビジネスが発展するかもしれない。それがどんな形なのか想像もつかないけど。